▰成年後見制度利用の支援

認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。

また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。

成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度の2つの種類があります。

▰身体と判断力低下時の備えるため「任意後見契約」の締結

本人に十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になることに備え、あらかじめ、公正証書で締結する契約です。

本人の判断能力が低下した場合は、家庭裁判所で任意後見監督人が選任されて初めて任意後見契約の効力が生じます。

任意後見契約のメリット

前もって本人が信頼できる人を後見人に選べますので本人の希望に沿って制度を設計しやすいことが最大のメリットです。

後見人の報酬も自由に決めることができる事をはじめ契約内容も自由に決められます。

もし認知症になった際も財産管理を後見人が行ってくれますので安心して過ごせます。

任意後見契約の注意点

本人の判断能力が低下した時点で家庭裁判所に申し立てをしますので、判断能力の低下時期を見守る必要があります。

任意後見契約が開始されると、任意後見人(無償も可)と任意後見監督人に毎月数万円の報酬を払う必要があり費用負担を伴います。

任意後見契約は、本人の死亡と同時に契約が終了しますので本人が亡くなった後の事務や財産管理ができません。